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アイロンの
当て布
(芯貼&合皮)

初めに

アイロンが芯貼りでベタベタしてしまう時や合皮などでベタつく時にどんな当て布がいいかというお話しです。 周りくどい説明は抜きにして早速結論です。当て布にオーガンジーを使います。

オーガンジーがおすすめな理由は↓

・アイロンの滑りがいい

・向こう側が透けて見える

・程よい張りでたるまずに重ねやすい

・サンプルなどで少量しか使わないのに多めに発注されて余ったりする

・ノリが付いても意外と何度も使える

などが挙げられます。 ノリが付いても意外と何度も使えるという理由ですが、 これに関しては私も謎なのですがノリが付いているはずなのに何度も使えるのです。不思議でございます。 それでは画像を使って説明していきます。

芯貼りの時の当て布

全面芯はもちろん芯貼機で貼ります。 でも部分芯であれば芯貼り機ではなくアイロンで貼ることもあります。 直接アイロンをすると、接着芯のノリが付いてしまいアイロンがベタつきます。 これはノリ返りと言うそうです。以前、接着芯メーカーの友人が言っていました。 この友人は現在は実家の板金業を継いでいます。下の画像を見てみましょう

< 部分芯 >

部分芯

よくある背中心の部分芯です。それではこれに当て布をします。

< 白のオーガンジー >

オーガンジー白

< ベージュのオーガンジー >

オーガンジーベージュ

< 黒のオーガンジー >

オーガンジー黒

このように透けて見えます。滑りもいいのでアイロンを動かす時も生地が持ち上がったりしません。 非常に貼りやすいです。オーガンジーは使いやすい大きさに色分けで用意しておくといいと思います。 小さいサイズは白で大きいサイズは黒と区別しておけばわかりやすくなります。 同じ色で目印がないと大きさを確認するたびにオーガンジーを広げることになってしまい時間をロスします。 何事もそうですが、わかりやすく単純に区別してアイロン台においておけば手軽に使用できます。 芯以外には、伸び止めテープや滑脱テープの接着の場合です。 伸び止めテープぐらいであればアイロンのベタ付きをそこまで気にすることはないかもしれませんが、 滑脱テープはノリ返りが強いものも多く、ベタ付きによる作業のロスは従分に起こり得ます。 ですが芯と違い滑脱テープはオーガンジーを重ねる時に空気で動いてしまいやすいです。 その手間とアイロンのベタ付きを取る手間を天秤にかけて商品ごとに判断するべきではあります。 当て布を使う判断をした場合で滑脱テープをぐるりパーツごとに貼らなければならない場合は形状に合わせた専用のオーガンジーを切り分けた方がいいです。

< オーガンジーの色 >

オーガンジー各色

< オーガンジーの大きさ >

オーガンジー各色

合皮や皮のベタつく素材

合皮の商品や部分的に皮革を使う仕様でもオーガンジーは生きます。 合皮や皮はアイロンをするとベタつきます。 合皮は種類によっては表面のコーティングが剥がれてしまいます。 簡単な画像になりますが下の画像を見てください。

< オーガンジー当て布1 >

オーガンジーを当て布にする

< オーガンジー当て布2 >

オーガンジーを当て布にする

アイロンの温度は従分注意は必要ですがベタつかずに表面から堂々とかけることができます。

アイロンカバー

テフロンで作られたカバーでアイロンに装着できるものがあります。 私はこれが苦手なのです。 アイロンの小回りが効かない気がして使い慣れないのです。 これが苦手で使い勝手のいい当て布はないかと辿り着いたのがオーガンジーなのです。

終わりに

30代の前半の頃だったと思いますが、 東京の縫製工場ファッション白石さんを見学に行った際に、 テープ貼りのアイロンの工程でこのようなアイロンカバーを使用されていました。 おそらくほとんどの縫製工場が使っている極当たり前のことなのだと思いますが、 苦手ば私にしてみればそれはすごいことであり、そんな驚いた私を見て不思議そうにされていた事を思い出します。 思い出すといつも恥ずかしくなります。アイロンカバーというのは私にとって触りたいけど触りたくない、なんだか甘酸っぱい何かなのです。